お口ぽかん
こんにちは
小児歯科担当の伊藤です。
コロナ禍での生活にも一時的にではありますが落ち着きを取り戻す中で、日常的にマスクを着用することには皆さん慣れてきているのではないでしょうか。このマスクの着用に関連することとして、今回は「お子様のお口ぽかん」についてお話しさせていただきます。
お口ぽかんとはその名の通り、日常的にお口が開いていることを言います。2021年の新潟大学の調査によると小児歯科を受診した3歳から12歳までの子供のおよそ30%がお口ぽかんであると分かり、お口ぽかんは小児歯科の新たな疾病であると言われるようになりました。
具体的な症状としては
・唇に締まりがない ・出っ歯だ
・唇の間から前歯が見える ・口を開けて寝る
・1分以上閉口できない ・口がよく乾く
など他にも様々なものが挙げられるます。
低年齢児に多く見られますが、実際には年齢を重ねるにつれ疾患者は増え、12歳児では約4割がお口ぽかんというデータもあります。
さらに最近では新型コロナ感染防止による日常的なマスクの着用により、息苦しさから口呼吸をしてしまっている子供が増加している可能性が考えられています。
お口ぽかんの状態が続くとお口の中が常に乾燥してしまい歯肉炎や虫歯(特に前歯)を誘発するだけでなく、唇と舌の位置にも大きく影響し歯並びの悪化を招きます。さらに長期的に続くことで、鼻の機能低下や喉の炎症を引き起こす原因にもなります。
お口ぽかんは日常的なことであり、本人自身はもちろん保護者の方も気づいていないことがあります。自然に改善していくことは難しく、早めの対応が必要になるため、日頃からお子様の呼吸する様子を観察するようにして下さい。
「お口ぽかん」に気付いたら、お口を閉じて鼻で呼吸することを意識しましょう。もし不安なことがあれば歯科医師に相談しましょう。